ゴマ
(ゴマ科ゴマ属:1年草:草丈 ~100センチ:花期 8~9月)
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薬効
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滋養強壮
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胃酸過多・胸やけ
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しらくも
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分布生育場所 |
科名:ゴマ科/属名:ゴマ属
和名:胡麻/学名:Sesamum indicum
ゴマは、全国各地で栽培。
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見分け方・特徴
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ゴマは、世界各地で一般的に栽培される一年生草本(そうほん)です。
茎は、方形で少し太く直立して、高さが1メートルで所々分岐します。
葉は、長楕円形か皮針形(ひしんけい)で下の方は対生(たいせい)して、上の方は互生(ごせい)しています。
夏から秋にかけて葉の間から、キリの花に似た淡紫色を帯びた白色花をつけます。
果実は、蒴果(さくか)で4室あり、その中に多数の種子がつまっています。
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採集と調整
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薬効・用い方
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ゴマ油の主成分は、リノール酸、パルミチン酸でなっていて、脂肪油以外の特殊な成分である、リグナン類のセサミン、カルシウム、ナトリウムなどのミナラルを多く含む、アルカリ性食品。
ゴマ油は非常に変質しにくく安定しているので軟膏(なんこう)などの基剤に用いられています。
中国では、黒胡麻(くろごま)を黒脂麻(くろしま)という滋養強壮薬として、白胡麻を白脂麻という緩下(かんげ)剤にそれぞれを区別して用いています。
また、種子を取り除いた果皮(かひ)は、芝麻穀といい、民間では半身不随や火傷に用いています。
日本で薬用に黒ゴマを用いることは、江戸時代の本草書(ほんぞうしょ)に見られていて、「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん・1697)」には、「黒胡麻は腎に作用し、白胡麻は肺に作用する。倶(とも)に五臓を潤(うるお)し、血脈をよくし、大腸、小腸の調子を整える」と記述されています。
ここでいう腎とは、性欲をつかさどる臓器をさしています。
また、「黒胡麻、胡桃肉(くるみ)、枸杞葉(くこよう)、五加葉(ごかよう)、山椒(さんしょう)、白塩などを調製して、粉末にして、食後の後で白湯に入れて朝夕服用すると、老いるまで強健、無病である」としています。
現在も、黒ゴマを炒り、ゴマ引きで砕いて少量の塩を入れて、さらに、少し炒ったゴマ塩は強壮剤となって、胃酸過多症も朝夕に食後服用したり、ご飯に直接振り掛けたりして食べ続けると自然に治るとされています。
そのほかには、民間で「はくせん」にゴマ油と生卵を混ぜて塗布します。
七味唐辛子
七味唐辛子は、トウガラシ、山椒(サンショウ)、胡麻(ごま)、
麻子仁(ましにん/麻の実)、陳皮(チンピ)、罌粟子(オウゾクシ/ケシの実)、紫蘇子(シソシ)の7種類から成る薬味
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その他 |
名の由来は、中国には紀元前100年ころに西域の胡(こ)を通って伝わったので胡麻(ごま)という名がつき、日本には古い時代に中国から渡来した。
ゴマは、比較的乾燥した熱い土地を好み、原産地はアフリカです。
エジプトには、紀元前1300年にはすでに栽培されていた記録があり、インドには紀元前1000年には伝わっていました。
また、日本には、天平の古文書に見られゴマ油が灯油の代わりとして用いられていました。
それは、菜種油(なたねあぶら)や大豆油(だいずゆ)よりも古くから使用されていたことになります。
ゴマがいかに生活に深く結びついていたかは「開けゴマ」の呪文や、「胡麻(ごま)をする」、「胡麻(ごま)かし」などの言葉にも見られることで良くわかります。
ゴマは、種子の色によって、白ゴマ、金ゴマ(黄ゴマ・茶ゴマ)、黒ゴマの3品種にわけられます。
一般に用いられるのは白ゴマと黒ゴマで、白ゴマは油の含有量が最も多く含まれているために、白ゴマでゴマ油が作られていました。
また、黒ゴマは白ゴマより油の含有量が少なく、特有の香りが強いので、ゴマあえ、ゴマ塩などの料理に主に使用されています。
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