アーグラモンテー
アーグラモンテー
Simoni Aristide
Agramontey(1869‐1931),キューバの微生物・寄生虫病学者.リードReed,ラジアーLazear,キャロルCarrollらとともに黄熱がカ(Stegomyia fasciata)によって伝播されることを証明した.〈1997〉
S.A. アーグラモンテーとは?
S.A. アーグラモンテー(Simoni Aristide Agramontey, 1869–1931)は、キューバ出身の微生物学者・寄生虫学者です。ウォルター・リードらと共に、黄熱病がハマダラカ(現ステゴミア属、特に Aedes aegypti)を介して伝播することを実験的に証明しました。
生涯と業績
- 生年:1869年
- 没年:1931年
- 所属:ホプキンズ大学、リード委員会、ラジアー、キャロルらと共同研究
- 主な業績:
- 黄熱病の媒介動物説を立証
- ハマダラカが黄熱ウイルスを伝播するメカニズムを解明
用例・引用
- 学術論文や教科書では「S.A. アーグラモンテー」と頭文字付きで表記されることが多い。
- 疫学史や寄生虫学の文脈で、リード委員会の他メンバー(リード、ラジアー、キャロル)と並んで紹介される。
関連知識
- リード委員会(1900年頃):米国陸軍医学校が組織した黄熱病研究チーム。実験室だけでなく、現地コロンビア(現パナマ)でも患者を使った人体実験を行い、蚊媒介説を確立。
- ハマダラカ(Aedes aegypti):熱帯域で黄熱、デング熱、ジカ熱などを媒介。黄熱ワクチン開発以前は大きな脅威だった。
- 現代への影響:蚊媒介ウイルス病の基礎研究として、近年のデング熱・ジカ熱流行対策にもつながる知見として評価される。
もっと詳しく知りたい点や、この時代の他の研究者との比較などがあればお知らせハマダラカ(Anopheles)の生態
分類と分布
ハマダラカ属(Anopheles)はカ科カ亜科ハマダラカ亜科に属し、世界中に約460種が知られている。
そのうちおよそ100種がヒトなど血液寄生性原虫(マラリア原虫など)の媒介者とされ、熱帯・亜熱帯地域を中心に広く分布している。
生活環
ハマダラカは卵→幼虫→蛹→成虫の4段階を経る完全変態昆虫である。
- 卵:水面に単独で産み付けられ、数日で孵化。
- 幼虫(ボウフラ):呼吸口を水面に突き出し、微細有機物を濾過摂食。
- 蛹:水面下で静止し、数日後に成虫が羽化。
- 成虫:羽化後数日で飛翔と交尾を行い、雌は初回吸血後に卵を成熟させる。
生息環境と繁殖地選択
- 干潟の溜まり水、湧水の浅い池沼、田んぼや水田の畦畔などに多く発生。
- 水質は比較的きれいな淡水を好む種が多いが、一部はわずかな汚濁水でも繁殖可能。
- 水面に浮く卵やボウフラは、周囲の植生が適度に日陰を作る環境で生存率が高い。
習性と吸血行動
- 夜行性が強く、日没から夜明け前にかけて吸血活動を行う。
- 種によって屋内寄生(屋内吸血)を好むもの、屋外吸血を好むものに分かれ、これが防除策の選択に影響する。
- 吸血以外では樹液や花蜜などから糖分を摂取し、エネルギー源として利用。
ベクトルとしての役割
- 全種のうち約100種がマラリア原虫やフィラリア虫、デングウイルスなどを媒介する能力を持つ。
- 特にAnopheles gambiae(ガンビエハマダラカ)はマラリア原虫Plasmodium falciparumの主要媒介者として最悪性とされる。
- ベクトル能力は種ごとの吸血率、寿命、寄生原虫に対する感受性などで決まり、環境変化や防除圧によって変動する。
さらに知りたいポイント(たとえば日本国内での種分布、温度・降雨条件の影響、駆除方法の最新動向など)があれば教えてください。
ください。
最新のハマダラカ駆除方法
統合的ベクター管理(IVM)
- 屋内残留噴霧(IRS)と長持ち型浸透性蚊帳(LLIN)は現在も標準的有効策であり、特にピレスロイド抵抗性事例では作用点の異なる新規化合物への切り替えが推奨される。
- 個人防護としてDEETなどの成分を含む忌避剤塗布、長袖・長ズボン着用、居住環境の網戸装着や密閉構造化が基本対策となる。
新規化学的制御
- ネオニコチノイド系殺虫剤(例:クロチアニジン)はハマダラカのニコチン性アセチルコリン受容体を標的とし、高い殺虫効果が確認されている。
- クロチアニジン含有屋内残留噴霧(IRS)や薬剤耐性対策としての薬剤ローテーション導入が進行中である。
生物学的制御技術
- Methylobacterium sp.を用いた卵形成阻害では、媒介蚊の卵成熟過程に介入し、発生抑制効果が報告されている。
- 環境負荷を低減し、農村域や水田周辺での持続的発生抑制を目指す新規手法として注目されている。
将来を見据えた革新的手法
- 無菌雄蚊放飼による不妊化技術(SIT)やWolbachia感染蚊放飼による媒介能低下、CRISPR/Cas9を用いた遺伝子ドライブなどがフィールド試験に移行しつつある。
- ATSB(Attractive Toxic Sugar Bait)や自動播種誘引トラップなどによる成虫・幼虫両ステージへの一貫的駆除も試みられている。
特定の方法についてさらに詳しい情報が必要でしたらお知らせください。