悪性腫瘍
アクセイシュヨウ
【英】malignant tumor
【独】bo¨sartige Geschwulst,maligner Tumor
同義語:悪性新生物malignant neoplasm
腫瘍(新生物)を良性腫瘍と悪性腫瘍に二大別し後者をいう.悪性腫瘍はさらに,上皮性悪性腫瘍と非上皮性悪性腫瘍に分類する.前者を癌*または癌腫
癌 ガン 【英】cancer(Ca),carcinoma(Ca) 【独】Krebs 【仏】cancer(Ca),carcinoma(Ca) 同義語:癌腫
悪性腫瘍*のうち上皮性悪性腫瘍を癌(癌腫)
と呼ぶ.癌が占居する臓器の名前を付して使用することが多い(例えば,胃癌,皮膚癌,膀胱癌など).組織学的には,腺癌*,扁平上皮癌*,移行上皮癌,未分化癌*などと分類する.また,癌の発育に従って,微小癌*,早期癌*,進行癌advanced cancerなどとも分類することができる.癌は,一般人を対象とする場合,広義に解釈して,悪性腫瘍の同義語として使用することもしばしば行われる.癌研究所,癌センターでいう場合の癌は非上皮性悪性腫瘍(すなわち肉腫)をも含めた悪性腫瘍全体の意味である.もし癌を狭義の悪性上皮性腫瘍に限定して用いていることを強調したい場合は,癌腫という用語を使用する.ヘパトーマhepatoma(肝細胞癌*),コランギオーマcholangioma(肝内胆管癌),Grawitz腫(腎細胞癌*)などと癌であっても,特定の名称が付されている場合がある.癌腫は初期や早期においては転移を示さないことが多いので,腫瘤そのものを切除すれば治癒することが多い.また,ある程度進行している癌であっても腫瘍切除とともに,リンパ節の郭清を行えば治癒することが少なくない.癌を実験的に作製したのは山極勝三郎(1863‐1930)で世界に先がけてウサギの耳にコールタールを反復塗布することにより成功した(1915).これによって癌の原因をVirchowの刺激説に求めうるとされたが,後年コールタールから多数の化学物質が精製され化学発癌の出発点となった. |
,後者を肉腫*
肉腫 ニクシュ 【英】sarcoma 【独】Sarkom 【仏】sarcome 【ラ】sarcoma
肉腫は,ギリシャ語のsarkos(肉)という語からでた名称であり,肉眼的にこの腫瘍が,肉のような外観を呈することから称された.しかし, Virchowによって,今日の肉腫の概念が定められ,非上皮性組織に起源をもつ悪性腫瘍の総称となった.したがって,悪性腫瘍は上皮性組織から発生する癌腫とこの肉腫に二分されることになる.肉腫には線維肉腫*
,粘液肉腫,
脂肪肉腫*,軟骨肉腫*,骨肉腫*,平滑筋肉腫*,横紋筋肉腫*,血管肉腫*,リンパ管肉腫などが含まれる.そのほかに神経鞘細胞由来の悪性腫瘍も含ませることがある.肉腫は,一般に速やかな発育を示し,その発育は浸潤性,組織破壊性である.癌腫に比べると若年者に発生するものも多くみられ,また,癌腫以上に悪性度の高いものがある. |
と呼ぶ.すなわち,悪性腫瘍は主として癌と肉腫からなる.ただし,一般の人を対象にする場合は,癌という言葉は悪性腫瘍の意味で使用する.したがって,癌研究,癌センターなどは悪性腫瘍全体の研究や診断・治療を行うことを意味する.悪性腫瘍は良性腫瘍と異なり,放置すれば次第次第に増大して周囲の組織に浸潤していく.これを浸潤性増殖という.悪性腫瘍は腫瘍そのものを切除するのみならず,そのまわりの組織も共に切除する必要がある主な理由である.悪性腫瘍の多くは遅かれ早かれ転移をきたす.この場合,腫瘍の近くのリンパ節にリンパ行性に転移したり,他の臓器,例えば肝・肺などに血行性に転移する.胃癌*の場合は腹腔に癌細胞*が散布されることも少なくない.この転移の形式を播種*という.悪性腫瘍の性格によって,転移を早期に起こすものもあれば,非常に進行しても転移をきたさないものもあるが,一般には腫瘍が進行すればするほど転移する率が高くなる.転移の予防あるいは転移巣の治療が完全に可能となれば,悪性腫瘍はそれほど恐ろしい病気でなくなるので,そのメカニズムの研究や予防・治療の進歩が望まれる.悪性腫瘍と良性腫瘍の境界を良性悪性境界領域病変,あるいは単に境界病変borderline lesionと呼ぶ.また,悪性腫瘍のうち悪性度の低いものを低悪性の腫瘍tumor of low grade malignancyと呼び,予後は良好である.これに対し悪性度の高いものを,高度悪性の腫瘍highly malignant tumorと呼び,予後は一般に不良である.
悪性腫瘍(がん)とは 良性腫瘍との違い
組織学的分類
発生メカニズム
診断
治療戦略
予後と生存率
予防と早期発見
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悪性腫瘍(がん)の治療法は、腫瘍の種類・進行度・遺伝子変異・患者さんの全身状態などに応じて個別化されます。以下に、現在主流となっている5大治療法を体系的にご紹介します。 🩺 1. 手術療法(外科的切除)
☢️ 2. 放射線療法
💊 3. 薬物療法(化学療法・分子標的薬)
🧬 4. 免疫療法(がん免疫チェックポイント阻害剤)
💡 5. 光免疫療法(新しい局所治療)
🧩 補足:集学的治療と個別化医療
ご希望があれば、特定のがん種(例:肺がん、乳がん、膵がんなど)における最新治療戦略や、**治療後の生活支援(QOL向上、緩和ケア)**についても詳しくご案内できます。どの方向に深掘りしましょうか? 最新のがん治療は、がん種ごとに分子標的治療や免疫療法の進化が著しく、個別化医療が中心になっています。以下に、2025年時点で注目されている代表的ながん種の最新治療戦略をいくつかご紹介します。 🫁 非小細胞肺がん(NSCLC)
🧠 脳腫瘍(膠芽腫など)
🧬 乳がん(HER2陽性・ホルモン受容体陽性など)
🧪 大腸がん
🧫 血液がん(リンパ腫・白血病)
🌟 注目の横断的技術
さらに詳しく知りたいがん種があれば、その疾患に特化した最新治療戦略や臨床試験の動向もご紹介できます。肺がん、乳がん、膵がん、白血病など、どれにご関心がありますか? 最新の臨床試験では、がんや難病、再生医療などの分野で革新的な治療法が次々と試されています。以下は、2025年時点で注目されている臨床試験の一部です。 🧬 がん領域の注目試験
🧠 神経・再生医療分野
💉 感染症・免疫関連
🔍 臨床試験の検索・参加情報
気になる疾患や治療法があれば、それに特化した臨床試験の動向や参加条件もお調べできます。どの分野にご関心がありますか?
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