悪性脱毛症

アクセイダツモウショウ

【ラ】alopecia maligna

 

→円形脱毛症

円形脱毛症

エンケイダツモウショウ

【英】alopecia areata

【ラ】alopecia areata

 

前駆症状や先行する病変がなく突然,円形あるいは楕円形の脱毛斑を生ずる疾患.通常頭部であるが眉毛,須毛,陰毛あるいは毳毛部にも及ぶことがある.単発あるいは多発(alopecia areata multiplex)し,爪甲大から手掌大までのいろいろの大きさをとり,これらが融合して不整形脱毛斑となることもある.脱毛部周辺には,屈折毛や切断毛に混じて,毛幹が毛球部に近づくにつれて細くなり,また黒色調が薄くなった休止期毛telogen,いわゆる感嘆符毛exclamationmark hairがみられ,このものは本症の診断的価値が大である.頭毛が全部脱落してしまう病型もあり,全頭脱毛症alopecia totaliscapitis)という.また,全頭脱毛に加え,眉毛,睫毛,須毛も抜けてしまうものを悪性脱毛症alopecia malignaといい,さらに腋毛,陰毛その他全身の体毛が脱毛するものを汎発性脱毛症alopecia universalisという.一方,後頭部から両側頭部にかけて,対側性に境界明確な帯状の脱毛を呈する病型を蛇行性脱毛症ophiasisといい,治療に抵抗性,難治性で全頭脱毛症に移行することも多い.円形脱毛症は一般に脱毛以外の症状をみることはないが,時に白斑や白毛を伴うことがあり,また爪と眼に合併症が現れることがある.爪では爪体に小陥凹や縦の溝や稜,不規則な肥厚,混濁,変形または爪の脱落をみる.眼では全頭脱毛症や悪性脱毛症に白内障が合併しやすい.病因は目下不明であるが,自律神経障害説(血管機能異常,精神身体学的因子),内分泌障害説,毛周期障害説(病巣部の毛が一斉に休止期毛となる),感染アレルギー説,自己免疫説(毛母細胞に対する自己抗体の産生があるという考え)などいろいろの仮説がある.

悪性脱毛症(Alopecia Maligna)とは

悪性脱毛症は円形脱毛症のうち、自己免疫の異常によって脱毛斑が進行し続け、広範囲に広がる重症例を指します。通常の単発性円形脱毛症が自然に治癒・再生することもあるのに対し、悪性脱毛症では脱毛が融合・拡大し、多発性融合型や全頭型、汎発型へ進行します。

特徴

発症機序・原因

診断

分類・臨床型

悪性脱毛症は特に「多発融合型」「蛇行型」「全頭型」「汎発型」で経過が止まりにくい傾向があります。

治療法

予後・注意点

今後のステップとしては、まず皮膚科専門医による詳細な診断を受けつつ、免疫抑制療法や光線療法などを組み合わせた個別プランを検討してください。加えて、栄養バランスの改善やストレス緩和法(マインドフルネス、適度な運動)に取り組むことで、再発予防と治療効果の持続が期待できます。もし深くご相談されたい場合は、日本皮膚科学会のガイドラインもご参照ください。

悪性脱毛症の治療法

悪性脱毛症は自己免疫反応が強く持続するため,複数のアプローチを組み合わせて炎症抑制と発毛促進を図ります。主な治療法は以下の通りです。

1. 外用・局所療法

2. 全身免疫抑制療法

  1. 内服ステロイドパルス療法
    短期間に高用量パルス投与(メチルプレドニゾロン 500–1000mg/日×3日)を繰り返し,急速に炎症を鎮めます。
  2. シクロスポリン
    2–5mg
    kg/日を2回に分けて投与し,T細胞活性化を抑制します。重症例やステロイド抵抗性例に適応。
  3. メトトレキサート
    1回の低用量投与(5–15mg)で免疫反応を調整。長期管理を必要とする場合に用いられます。
  4. JAK阻害剤(トファシチニブ,ルキソリチニブ)
    シグナル伝達を遮断し,自己免疫性炎症を抑制。再生促進効果も報告されていますが,感染リスク管理が必須です。

3. 光線療法・レーザー療法

4. 補完・代替療法および生活管理

5. 最新・研究中のアプローチ

今後のポイント

  1. 早期受診と診断による組み合わせ治療のスタート
  2. 定期フォローで治療効果と副作用をモニタリング
  3. ストレス・生活習慣改善の継続的サポート
  4. 最新エビデンスを踏まえたJAK阻害剤や再生医療の検討

上記を踏まえ,皮膚科専門医と相談のうえ,ステージや体質に合わせた最適なプランを立てましょう。次のステップとして,

などを進めると,より精緻な治療設計が可能です。

自宅でできるケア方法

悪性脱毛症の治療中でも,自宅でできるセルフケアを取り入れることで治療効果をサポートし,ストレスや栄養不足による悪化を防げます。以下の方法を参考にしてください。

1. ストレスマネジメント

2. 頭皮マッサージ

3. 食事・栄養補給

4. 頭皮環境の整備

5. 生活リズム・睡眠

追加で役立つ情報