| アマチャヅル           (ウリ科アマチャヅル属:蔓性多年草:花期 〜9月) | 
                
                  | 薬効 | 
                
                  | 老人性気管支炎 | 滋養強壮 | 胃・十二指腸かいよう | 気管支炎(気管支カタル) | ストレス | 動脈硬化 | 
                
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                  | 分布生育場所 | 
                
                  | 科名:ウリ科/属名:アマチャヅル属和名:甘茶蔓/生薬名:七葉胆(しちようたん)/学名:Gynostemma pentaphyllum
 日本全土の山野の樹陰、薮の縁など。
 朝鮮半島、中国、東南アジアに広く分布。
 
 ブドウ科ヤブガラシ属ヤブガラシ
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                  | 見分け方・特徴 | 
                
                  | 雌雄異株で、茎は地上をはうか、葉のつけねにある巻きひげを絡ませて、他の植物などに絡み付きよじ登り繁殖します。 若い時には淡色の軟毛がありますが、すぐ無毛となってしまいます。
 葉は互生し、3〜7枚の小葉からなる鳥足状複葉です。小葉は狭卵形で先が尖り、葉縁は鋸歯状葉、葉面には細毛が散生しています。花は円錐状の黄緑色の小花を多数つけます。
 果実は球形の液果で上半分には鉢巻状の横線が1本あり、熟すと黒緑色にあります。
 アマチャズルとよく似たのに、ヤブガラシ(ブドウ科)があります。葉面には全く毛がなく、巻きひげも葉の反対側についている点で区別ができます。
 
 栽培
 種子による栽培は、まく前に2日ほど水につけておき、ジフィーセブンやバーミキュライトを利用するかトロ箱を用いて播種します。発芽は5週間を必要として、発芽後3〜4週間で葉がでます。この時期に本畑に移植して施肥を行い通常の栽培で、つるものびます。挿し木で繁殖させるのは、もっと簡単で山で見つけたアマチャズルを3節ほどの長さに切りとって葉を1節だけ残して、あとの2節からは葉をむしりとり土の中に植え込みます。20日ほどで30センチに伸びるので本畑に移します。
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                  | 採集と調整 | 
                
                  | 8〜9月に茎、葉を特に晴天の日を選んで下葉1枚くらい残して刈り採り、水洗いをして汚れを落としたのち、少しずつ束ねて吊るし水を切ります。生乾きの時2〜3センチくらいに刻んで、更に天日でよく乾燥されます。 生薬名は七葉胆(しちようたん)
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                  | 薬効・用い方 | 
                
                  | 主成分が、オタネニンジンと同様であり、含量もほぼ同じとされていて同じ薬効が期待されます。 新しく開発された薬草だけに、今後多くの薬効が明らかにされると思います。
 乾燥した茎葉5グラムに約1リットルの水をいれ、番茶のように煮出して服用します。
 鎮静作用があってストレスが引き起こす、いろいろな病気に応用できます。
 その他、老人性慢性気管支炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防と治療、強壮剤として用いられています。
 自生地によって多少の成分の相違がありますので、この点は注意が必要です。
 
 1977年日本生薬学会で徳島文理大学薬学部・竹本博士が「アマチャヅルは、薬用朝鮮人参と同様の有効成分サポニンが70種類以上含まれる」と発表して知られるようになりました。
 サポニンは、植物に含まれる配糖体のことで、水や油に溶けて泡立つ特性を持ちます。
 サポニン(ダイオール系)は神経の興奮やストレスを鎮める効果があります。
 また、特定のサポニンの薬理試験ではガン細胞に対しての制がん作用も確認されています。
 間接リュウマチ、低血圧、動脈硬化、肝臓障害などの予防もあるとされています。
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                  | その他 | 
                
                  | 薬用としての利用が初めて記されたのは、中国で消炎解毒、止咳去痰、慢性気管支炎としてでした。 日本の竹本教授たちのよってアマチャズルにオタネニンジン(朝鮮人参)と同じ成分が含まれていることが、研究の結果からも明らかとなりましたが、成分の含有組成が朝鮮人参と異なっているので、全く同じ効果であるかどうかは明確ではありません。
 それまでは、雑草として扱われていましたが、にわかに重要な薬草として脚光をあびるようになりました。
 
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