BL27.小腸兪(しょうちょうゆ)

取穴部位:正中仙骨稜第1仙椎棘突起部の下外方15

要穴:小腸経の兪穴

筋肉:腰背腱膜

知覚神経:中殿皮神経

血管:外側仙骨動脈

六臀 |ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

臀人 でんじん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

大腸兪 だいちょうゆ|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

臀人 でんじん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

下秩辺 しもちっぺん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

鉤笠 こうりゅう|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

鉤笠 こうりゅう|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

髀関 ひかん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

膝根 しつこん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

上髎 じょうりょう|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

二ノ臀 にのでん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

中椎 ちゅうつい|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

腰眼 ようがん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

大臀 だいでん|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

腰海 ようかい|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

関元兪 かんげんゆ|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

空髎 くうりょう|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

大腸兪 だいちょうゆ|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

承扶 しょうふ|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

膀胱兪 ぼうこうゆ|ツボの場所と効果|ツボネット 鍼灸の症例が検索できるツボ辞典

【鍼灸師が解説】すぐできる!便秘・下痢に効果的なツボ3選 | ウントピ!

 BL27 小腸兪 (しょうちょうゆ)

経絡・分類

  • 所属経絡:足の太陽膀胱経
  • 原穴・兪穴:背部兪穴(小腸の募穴に対応)
  • 経穴番号:第27

名称の由来

「兪(ゆ)」は「輸送する」を意味し、経気(経絡を流れる気)を送るところを指します。小腸の背部に位置する兪穴で、小腸の気血の停滞や病証を治す要穴とされることから「小腸兪」と名付けられました][]

取穴・解剖

  • 取穴:仙骨部,第1後仙骨孔と同じ高さ,正中仙骨稜(督脈)外方1.5寸に取る][]
  • 深さ・刺入法:肢位は伏臥位または側臥位。針は皮膚に対してほぼ垂直、またはやや斜めに中路(脊柱方向)へ刺入し、0.51寸を標準とする[]
  • 近傍解剖:浅層に皮膚・脂肪組織、深層に脊柱起立筋群。神経は後枝、血管は仙骨後部の枝が走行。

主な効能・作用

  1. 小腸の気機調節:蠕動や運化を整え、消化吸収を促進
  2. 湿熱除去:小腸に停滞した湿熱を清熱利湿
  3. 腰背部の鎮痛:腰痛や坐骨神経痛の緩和
  4. 泌尿生殖器調整:頻尿、排尿困難、血尿などの改善

主治・適応症例

  • 消化器系:腹痛、下痢、便秘、食欲不振、消化不良、腸炎、痢疾
  • 泌尿器系:頻尿、排尿困難、血尿、遺尿(夜尿症)
  • 婦人科系:月経不順、帯下異常
  • 運動器系:腰痛、座骨神経痛
  • その他:下肢のしびれ、皮膚疾患(背部緊張を緩め関連部位に波及)][]

次は、隣接する兪穴(BL26 腎兪、BL28 膀胱兪)との連携や、炎症性腸疾患への応用など、より専門的な臨床応用について深堀りしてみましょう。

BL27(小腸兪)の臨床応用や症例について、以下のような情報があります。

BL27(小腸兪)の臨床応用

  1. 消化器系の調整
  • 小腸の機能を活性化し、消化吸収を促進
  • 腹痛、下痢、便秘、食欲不振、腸炎などの改善
  1. 泌尿器系の疾患への応用
  • 頻尿、排尿困難、血尿、尿路感染症の緩和
  • 小腸と膀胱の関係を利用し、尿の排泄を調整
  1. 婦人科系の症状改善
  • 月経不順、帯下異常(おりものの異常)
  • 骨盤内の血流を改善し、生殖器系の調整
  1. 運動器系の痛みの緩和
  • 腰痛、坐骨神経痛、関節リウマチ
  • 仙骨部の緊張を緩め、下肢のしびれを軽減
  1. その他の応用
  • 皮膚疾患(湿疹、アトピーなど)
  • 自律神経の調整によるストレス緩和

BL27(小腸兪)の症例

  • 症例1:慢性下痢の改善
    50
    代男性が慢性的な下痢に悩んでいたが、BL27への鍼治療を週2回実施。3週間後には症状が軽減し、腸の調子が安定。
  • 症例2:坐骨神経痛の緩和
    40
    代女性が右側の坐骨神経痛を訴え、BL27を中心に治療。1ヶ月後には痛みが半減し、歩行が楽になった。
  • 症例3:排尿困難の改善
    60
    代男性が排尿困難を訴え、BL27BL28(膀胱兪)を組み合わせた治療を実施。2週間後には排尿がスムーズになり、夜間頻尿も減少。

BL27は、小腸の機能調整だけでなく、泌尿器系や婦人科系の疾患にも広く応用される重要な経穴です。さらに詳しい情報は、こちらこちらで確認できます。

BL27(小腸兪)の働きに関する理論的な背景について、以下のような情報があります。

BL27(小腸兪)の理論的背景

1. 経絡と気血の流れ

BL27足の太陽膀胱経に属し、小腸の背部兪穴として機能します。

  • 「兪(ゆ)」は「輸送する」という意味を持ち、経気(経絡を流れる気)を送る場所とされています。
  • 小腸は水穀の分別を行い、清濁を分ける役割を持つため、BL27はこの機能を調整する重要な経穴です。

2. 小腸との関係

東洋医学では、小腸は心と表裏の関係にあるとされ、精神活動にも影響を与えます。

  • 小腸の機能が低下すると、消化不良や栄養吸収の問題だけでなく、精神不安や集中力低下が生じることがあります。
  • BL27への刺激は、小腸の気機を調整し、消化吸収を促進するとともに、心の安定にも寄与します。

3. 湿熱の除去と排泄機能

BL27湿熱を除去する作用を持ち、小腸に停滞した湿熱を清熱利湿することで、以下の症状を改善します。

  • 消化器系:腹痛、下痢、便秘、腸炎
  • 泌尿器系:頻尿、排尿困難、血尿
  • 婦人科系:月経不順、帯下異常。

4. 腰背部の鎮痛作用

BL27は仙骨部に位置し、腰痛や坐骨神経痛の治療にも用いられます。

  • 仙骨部の緊張を緩めることで、腰部の血流を改善し、痛みを軽減します。

参考情報

BL27の詳細な理論的背景については、以下のサイトで確認できます。

さらに詳しい情報が必要であれば、関連する経穴(BL26 腎兪、BL28 膀胱兪)との比較や、臨床応用についても掘り下げていきましょう。

BL27(小腸兪)と関連する経穴について、以下のような情報があります。

BL27(小腸兪)と関連する経穴

BL27足の太陽膀胱経に属し、小腸の背部兪穴として機能します。関連する経穴には、以下のようなものがあります。

1. BL26(関元兪)

  • 位置BL27のすぐ上、第5腰椎棘突起の外方1.5
  • 作用
  • 腎気の補充:腎兪(BL23)とともに腎陽を補う
  • 泌尿器系の調整:頻尿、排尿困難、夜尿症など
  • 生殖器系の調整:月経不順、精力減退

2. BL28(膀胱兪)

  • 位置BL27のすぐ下、第2後仙骨孔の外方1.5
  • 作用
  • 膀胱の調整:排尿障害、尿閉、頻尿
  • 腰痛の緩和:仙骨部の緊張を緩める
  • 湿熱の除去:膀胱の湿熱を取り除く

3. BL25(大腸兪)

  • 位置:第4腰椎棘突起の外方1.5
  • 作用
  • 腸の調整:便秘、下痢、腸炎
  • 腰痛の緩和:腰部の血流を改善
  • 消化器系の調整:食欲不振、消化不良

4. BL23(腎兪)

  • 位置:第2腰椎棘突起の外方1.5
  • 作用
  • 腎気の補充:腎陽を補い、精力を高める
  • 腰痛の緩和:慢性腰痛、坐骨神経痛
  • 泌尿器系の調整:排尿困難、夜尿症

BL27の臨床応用における関連経穴の組み合わせ

BL27は、小腸の機能調整だけでなく、泌尿器系や婦人科系の疾患にも広く応用される重要な経穴です。
以下のような組み合わせで治療が行われることがあります。

  • 消化器系の問題(下痢・便秘) → BL25(大腸兪)+ BL27(小腸兪)
  • 泌尿器系の問題(頻尿・排尿困難) → BL27(小腸兪)+ BL28(膀胱兪)
  • 腰痛・坐骨神経痛 → BL23(腎兪)+ BL26(関元兪)+ BL27(小腸兪)

BL27は、隣接する経穴と組み合わせることで、より広範な治療効果を発揮します。

さらに詳しい情報は、こちらで確認できます。

 

 

正中仙骨稜第1仙椎棘突起部の下外方1寸5分に取る。

 

BL27.小腸兪(しょうちょうゆ)

 

 

正中仙骨稜第1仙椎棘突起部の下外方1寸5分に取る。

解剖学的データ

筋肉

腰背腱膜

広背筋が起こる腸骨陵の後部から下位の胸椎棘突起までの広大な腱膜のこと。

脊柱起立筋

最大の背筋で、脊柱を伸展して屈曲するのを防ぎ、脊柱を起立させる働きがある。脊柱起立筋はさらに、腸肋筋・最長筋・棘筋の3つに分けられる。

運動神経

脊髄神経‐後枝

脊髄に出入りする末梢神経のことで、頸神経・胸神経・腰神経・仙骨神経・尾骨神経よりなる。脊髄神経の前枝は後頭部・胸部・腹部・上肢・下枝の筋肉や皮膚を、後枝は肩背部・腰部・臀部の筋肉や皮膚を分節的にする。

知覚神経

中殿皮神経

第1~第3仙骨神経の後枝から起こり、殿部の知覚を司る神経。

血管

外側仙骨動

内腸骨動脈から分岐する動脈で、第4・5腰神経、第1・2・3仙骨神経の神経線根を栄養する。

主治・対象疾患

腰痛

ぎっくり腰

坐骨神経痛

下腹部痛

下痢

大腸カタル

小腸カタル

腸出血

尿漏れ

尿閉

頻尿

尿路痛

膀胱炎

おりもの過多

月経過多

月経過少

不正性器出血

無月経

更年期障害

生理痛

生理不順

のぼせ

 

 

 

 

 位置

仙骨部、第1後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1.5寸。

1後仙骨孔に上髎(じょうりょう)があり、上髎と同じ高さで後正中線から外方1.5寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)のところに小腸兪はあります。

 主治・効能

消化器系の症状

腹痛腸炎お腹の張り食欲不振下痢便秘血便

小腸兪は小腸の背部兪穴であり、消化器系疾患の治療によく用いられます。

泌尿器・生殖器系の症状

頻尿排尿困難血尿膀胱炎生理不順おりものの異常

このツボは泌尿器・生殖器の近くにあるため、それらに関係する諸症状を治療できます。

その他

関節リウマチ坐骨神経痛

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 腰背腱膜 → 脊柱起立筋起始部・大殿筋の内側縁

関係する筋肉

  • 腰背腱膜
  • 脊柱起立筋

関係する動脈・静脈

  • 外側仙骨動脈・静脈

関係する神経

  • 中殿皮神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)

小腸兪(しょうちょうゆ)とは

小腸兪は背中の仙骨部にある重要なツボの一つです。

1仙椎棘突起から左右15分(指の幅2本分)のところに位置しています。

このツボは足の太陽膀胱経のツボとして、小腸を整える働きがあるとされています。

「小腸を治する所」という意味が名前の由来となっています。

効果と応用

小腸兪は幅広い症状に対して効果があるとされています。

特に生殖器疾患や膀胱疾患、下腹部疾患の改善が期待できます。

加えて、腸出血や便秘、尿閉などの排泄に関する症状の改善も期待できます。

また、月経不順や子宮血といった婦人科系の症状に対しても、その効果が広く知られています。

主な効果

小腸兪は内臓系の症状だけでなく、運動器系の症状にも効果的です。

膝関節炎や五十肩などの関節の痛みの改善が期待できます。

また、小腸経は顔面も巡るため、赤面やソバカス、ニキビなどの顔面の症状の改善にも効果があるとされています。

東洋医学では、このように一つのツボが全身に広く影響を及ぼすと考えられています。

注意点

小腸兪は効果的なツボですが、正しい位置を自分で刺激することは困難です。

背中にあるため、自分で正確な位置を特定し、適切な刺激を与えることが難しいという特徴があります。

無理な刺激は避け、専門家に相談することが推奨されます。

日常生活での活用法

小腸兪へのアプローチには工夫が必要です。

最も確実な方法は、誰かに押してもらうことです。自分で行う場合は、ソフトボールを背中と壁の間に挟んでツボを刺激する方法が効果的です。

また、ベッドの上にボールを置いて、その上に体を乗せてツボを刺激する方法も推奨されます。

いずれの方法でも、強すぎない適度な刺激を心がけることが重要です。

現代医学からの評価

現代医学の観点からも、小腸兪への刺激は内臓機能の調整や筋骨格系の症状改善に効果があることが注目されています。

特に、自律神経系を介した内臓機能の調整や、局所の血行促進による症状改善について、その有効性が研究されています。