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桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう) 

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)

概要

桂枝湯に鎮咳・平喘作用をもつ厚朴・杏仁を加えた処方で、咳嗽や痰を伴う風寒表証の呼吸器症状に用いられます。自然に汗をかきやすく、体力中等度以下の虚表症にも適応します。

組成(生薬一覧)

  • 桂枝(Cinnamomi Ramulus
  • 芍薬(Paeoniae Radix
  • 甘草(Glycyrrhizae Radix
  • 生姜(Zingiberis Rhizoma
  • 大棗(Jujubae Fructus
  • 厚朴(Magnoliae Cortex
  • 杏仁(Armeniacae Semen

適応症状と証

  • 咳や痰をともなう風邪・気管支炎など
  • 咳を止め、喉を鎮めるのに用いる。また咳による胸部痛を緩和する
  • 証:表証(急性期)、虚証(体力虚弱)、寒証(冷えを伴う)

用法・用量

通常、成人13回、11.0包〜1.2包(2.53 g/包)を空腹時に経口服用します。年齢や症状に応じて医師・薬剤師の指示に従って増減してください。

作用機序(TCM理論視点)

  • 桂枝湯の解表発汗作用で風寒を発散し、表証を解除
  • 厚朴が胸中の気滞を散じ、胸部のつかえ感を改善
  • 杏仁が止咳・平喘し、痰の排出を助ける
  • 芍薬・大棗・甘草・生姜が気血を和らげ、全身の調和を図る

注意点・副作用

  • 長期連用や大量投与で浮腫、偽アルドステロン症(高血圧、むくみ、低カリウム血症)、筋痙攣などの副作用が起こる場合があります
  • 体重増加や血圧上昇を認めたら速やかに医師・薬剤師に相談してください
  • 他の市販薬や生薬製剤を併用する際は、必ず担当医に伝えること



 

Medicinal Benefits of 桂枝加厚朴杏仁湯


Primary Therapeutic Actions


桂枝加厚朴杏仁湯は風寒表証の解表発汗作用に加え、止咳・平喘と消痰・理気を一処方で行える応用漢方です。桂枝湯の温里解表で風寒を発散し、厚朴が胸中の気滞を散じ、杏仁が気管支を鎮め平喘を助け、痰の排出を促します。


適応症と臨床効果


  • 風邪の初期で咳が残る体力虚弱者に用いられる
  • 咳嗽とともに胸部のつかえや痰多を伴う気管支炎・咳喘息に有用
  • 冷えを伴う痰飲証や表裏中間証にも適応できる

構成生薬別の働き 




表は各生薬の代表的な効能と主要な作用部位を示しています。


使用上のポイント


  • 咳が長引く感冒後期や季節性風寒感冒の残痕性咳嗽に対し桂枝湯をベースに厚朴・杏仁を加えることで咳止め効果を強化できます。
  • 気虚や体力虚弱が強く、痰を排出しにくい人にも適合し、麻杏甘石湯で平喘効果が不十分な場合の二次選択となります。
  • 黒色鮮明な濃縮エキス顆粒と生薬をそのまま煎じる方法があり、煎じ薬ではより温熱感が得られます。

さらに用量・製剤比較や症例別の組み合わせレシピ、漢方薬併用時の注意点などご希望でしたら補足いたします。