ヒガンバナ      (ヒガンバナ科ヒガンバナ属:多年草:草丈 〜50センチ:花期 〜9月)

薬効
いんきん・たむし むくみ(浮腫・水腫)        
           
分布生育場所

和名:ヒガンバナ科/属名:ヒガンバナ属
和名:彼岸花/別名:曼珠紗華/生薬名:石蒜(せきさん)/学名:Lycoris radiata
北海道を除く日本各地の堤防や人里、村里などに自生。

ヒガンバナ科ヒガンバナ属コヒガンバナ(小彼岸花)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属ナツズイセン(夏水仙)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠紗華)

見分け方・特徴

多年草草本で、大型の鱗茎があり、外皮は黒く、9月ころ鱗茎から長さ30〜40センチの太い円柱形の花茎を直立します。その先に、長い花柄をもった真紅色の大形花を数個輪生します。
花被片は6枚で基部から大きく湾曲して外側にそり返っています。オシベ6本、雌しべ1本、花茎の枯れたあと、鱗茎から平たい、やや厚い線状のへら形葉が束生します。長さ30〜40センチにのびます。
ヒガンバナは、翌年の3月ころまで残り、他の植物が枯死している時期に緑色の葉は、よく目立ちます。4月ころにはすべて枯れてしまいます。
採集と調整
地下にある鱗茎を生のままで使用します。使用するその都度掘り取って水洗いして、鱗茎の外皮と、下に出ている根を取り除きます。
このヒガンバナの鱗茎の乾燥したものは生薬の石蒜(せきさん)といいます。

石蒜(せきさん)は、リコリンなどの有毒な成分を含むので、絶対に食用に用いてはいけません。
薬効・用い方
有毒成分:アルカロイドのリコリンほか

石蒜(せきさん)は、去淡、解毒、催吐薬に用いられたことがありますが、毒性が強いために、現在は外用だけにもちいられています。


ヒガンバナの生の鱗茎は肩こり、浮腫(ふしゅ)などに、金属以外のおろし器で1個を、すりおろして、ひとさし指大の分量を、就寝前、両足の土踏まずに貼って、軽く包帯をしておきます。冷湿布や患部に塗布。
また、乳腺炎、いんきん、たむし、銭たむなどにも、前者のように、すりおろした鱗茎を患部に塗布することがあります。
あかぎれ、打ち身、捻挫、肋膜炎などにも、おなじように用いるとされます。
毒草ですので、絶対に口にしてはいけません。
その他
ヒガンバナは、中国の揚子江の流域に、とくに多く自生しています。古くに稲作が揚子江から南朝鮮へ、さらに日本の北九州へ、というコースをたどって日本に渡来したように、ヒガンバナも同じように渡来したのではないかと言われています。
現在、中国の揚子江沿岸にあるヒガンバナと、日本のヒガンバナも同じ種類で、種子ができないで、地下の球根が分かれることで繁殖していきます。

中国には、ヒガンバナでも種子ができる変種があります。

つねに人里とか村里のように、人との係わり合いのある場所にしか自生していないのも、古い時代の帰化植物の代表といえます。
秋のお彼岸のころに真っ赤な花が咲きます。別名には、ハガバナ、ハガババナなどがあります。